評価版 Windows Server 2019 UEFI boot を Hyper-V に構築する

はじめに

以下のような要件を持った VM を Hyper-V 上に起動したかったのでメモがてら記事にしました。

  • ゲスト OS は Windows Server 2019 OS 評価版
  • UEFI ブート
  • インターネット接続可能

環境

  • ホスト OS Windows Server 2019 (1809)

    • ホスト OS はインターネット接続可能
  • Hyper-V Manager version 10.0.17763.1

手順

早速手順を説明していきます。

1. Windows Server 2019 評価版をダウンロードします

ISO の OS イメージをダウンロードします。

Windows Server 無料試用版 | マイクロソフト

2. NAT 仮想ネットワークの構築

ほとんど以下の公式ドキュメントの内容と同じです。

NAT ネットワークのセットアップ | Microsoft Docs

ホスト OS 経由で VM がインターネット接続します。

まず、仮想スイッチを作成します。

New-VMSwitch -SwitchName "<任意のスイッチ名>" -SwitchType Internal

今回は、ホスト OS で NAT して外部に通信する構成なので、スイッチタイプは Internal にします。 インターネット接続が目的なら External で作成するのもありなのですが、外部ネットワークの設定が触れなかったのでこういう構成です。

続いて、Get-NetAdapter でインターフェイスインデックスを確認します。

Get-NetAdapter

以下のような形で表示されます。

get-netadapter

作成した仮想スイッチの ifIndex をメモしてください。

続いて、作成した仮想スイッチにホスト OS の NAT ゲートウェイとして利用する IP アドレスを定義します。

New-NetIPAddress -IPAddress <NAT GW の IP アドレス> -PrefixLength <サブネットのプレフィックス長> -InterfaceIndex <先に調べた ifIndex>

最後に NAT ネットワークを構築します。

New-NetNat -Name <任意のネットワーク名> -InternalIPInterfaceAddressPrefix <NAT ネットワーク CIDR>

例) サブネット 192.168.0.0/24 で IP アドレス 192.168.0.1 の NAT GW を作成する場合には以下です。

New-NetIPAddress -IPAddress 192.168.0.1 -PrefixLength 24 -InterfaceIndex <調べた ifIndex>
New-NetNat -Name <任意のネットワーク名> -InternalIPInterfaceAddressPrefix 192.168.0.0/24

3. VM を作成

Hyper-V Manager から VM を作成していきます。

Action > New > Virtual Machine をクリックします。

New Virtual Machine Wizard を以下のように入力していきます。

  • Before You Begin: 何もせず Next

  • Specify Name and Location: Name に VM の名前を入力して Next

    • VM を保存する場所を変更したいなら設定
  • Specify Generation: 今回は UEFI ブートしたいので、Generation 2 を選択して Next

  • Assign Memory: Startup memory を適当に設定して Next

    • 私は 1024 MB で起動することを確認しました。
  • Configure Networking: Connection にて 2 で作成した仮想スイッチを選択して Next

  • Connect Virtual Hard Disk:

    • 新規にインストールするので Create a virtual hard disk を選択

    • vhdx のファイル名や Location は任意に選択

    • Size はホスト OS のストレージを見て余裕のある範囲で設定して Next

      • (ここでホスト OS より大きいサイズを指定しても何も Warning してくれず、私はしばらくそれに気づけずハマってました)
  • Installation Options:

    • Install an operating ssytem from a bootable CD/DVD-ROM を選択
    • Image file に 1 でダウンロードした ISO ファイルを選択

4. Windows Server 2019 評価版のインストール

VM を起動します。 ここでハマりポイントなのですが、UEFI ブートしようとすると以下の画面で Hung します。

boot-hung

「Press any key」とあるのに、キーを押しても反応しません。 なぜかわからないのですが、何らかのキーを入力したまま改めて VM を起動 (画面中の start を押すか、電源マークをクリック) するとうまくいきます。

続いて画面に従ってインストールしていきます。

  • 言語設定やキーボードの設定は任意に変更してください。

  • インストールするオペレーティングシステムは今回はデスクトップ画面が欲しいので、デスクトップエクスペリエンスを選択します。

    • Standard か Datacenter かはどちらでもよかったので適当に選びます。
  • 適用される通知とライセンス条項に同意して Next

  • インストールの種類は、新規に VM にインストールするのでカスタムを選択します。

  • インストール場所は VM のストレージをそのまま選択します。

  • インストール終わるまで待ちます。

  • Administrator ユーザーのパスワード設定を要求されるので設定します。

これでインストールが完了するはずです。

4. ネットワーク設定

インターネット接続できるようにします。 DHCP サーバー構築してもできそうなのですが、今回は静的 IP アドレスで設定します。

  • Win+r キーを入力して ncpa.cpl を開きます。

  • イーサネット > プロパティ > インターネットプロトコルバージョン (TCP/IPv4) を開きます。

  • 「次の IP アドレスを使う」を選択し、以下のように設定します。

    • IP アドレス: NAT ネットワークの範囲から任意に設定
    • サブネットマスク: NAT ネットワークのサブネットマスクを指定
    • デフォルトゲートウェイ: NAT GW の IP アドレスを指定
  • 「次の DNS サーバーのアドレスを使う」にチェックを入れ、適当な DNS サーバーの IP アドレスを入力します。

    • インターネットに接続できるので、一旦 8.8.8.8 でよいと思います。

疎通性の確認として、ping 8.8.8.8 が正常であることを確認します。

終了

まとめ

自分が思い出すように参照するつもりで書きましたが、誰かの役に立てれば幸いです。 ハマりポイントは少ないですが、ブートできない時は焦りました。 ネットワーク周りもいろいろやり方はあるのですが、とりあえずインターネット接続できるようにしたい時には簡単な構成かなと思います。